Gypsy Jazz Trio Live at Shamrock !

大変に久しぶりの投稿になってしまいました。

最近、とはいっても2015年~2016年5月までの間に、

Carrefour Saxophone Quartet でもPat Metheny の作品をオリジナル編曲で出したり、

色々な活動をしておりました。

こちらの紹介などは別にするとして、昨年来、ジャンゴ・ラインハルトの音楽を継承する演奏家との

演奏機会も増え、その曲を中心に、しかも私のサックス(メインはAlto Sax)で参加するTrio ユニットも

出来ております。

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その3名での演奏をかの素敵なお花屋さんShamrock にてやろう、というご案内でございます。

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Shamrock は広島市中区国泰寺にある素晴らしいフラワーショップ。

毎回、イベントの度に来場者に大きな喜びを与えてくれています。
今回はお昼と夜の2回公演行います。
日時 6月18日土曜

昼の部 14時~16時過ぎ目安

夜の部 19時~21時過ぎ目安

参加費 昼の部、夜の部とも、それぞれ 3000円 (小学生以下無料です)

ワイン、ビール、ソフトドリンク販売ございます。

素敵なシャムロックの空間でリラックスしてジプシージャズ、マカフェリギターの音色を楽しんでください。

メンバーは

■藤井 政美(Alto Sax)
■ニシウラトモアキ(マカフェリギター)
■是盛 博司(Contrabass)

住所/広島市中区国泰寺町1丁目9-8
TEL/082-244-8739
http://shamrock.jp/

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ご参加ご希望の方は、昼・夜のどちらへのご参加をご希望かも含めて、
Shamrock へご連絡くださるか、
fjm@live.jp  藤井政美 までメールくださいませ!
ただし、PCメールなのでこちらが返信しても拒否されることがございます。
どうぞ携帯電話の方は通信設定にお気をつけくださいませ。
ご参加お待ちしております!
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Ties-3 ” After the Rain ” Producer’s note  

この Fujii Masami Space の内容のお問い合わせ、

演奏のご依頼、レッスンのお問い合わせなど諸々のご連絡先は

fjm@live.jp  藤井政美 までメールでお気軽に 

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この度リリースいたしましたTies Series の3作目

タイトルはAfter the Rain といたしました。

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ジャケットは写真家の花田憲一氏の作品。

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この雰囲気に合うと思うタイトル、楽曲を収録している、というイメージです。

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演奏者は小倉出身のピアニスト ゆみゆみ とわたくし藤井政美のサックスとの

Duo、サックスはTenor とSoprano Sax を使用しております。

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前2作ではBaritone Sax及び、Soprano Saxのみの演奏でした。

今回は ゆみゆみさんと継続してDuoで演奏しているライブのなかから

彼女の提案した楽曲を中心に、しかも、普段彼女の演奏に接している方が

抱くであろう印象の偏りに対する私なりの魅力の解析でもあります。

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After the rain というのはご存知の方にはいうまでもありませんが、

John Coltrane が名盤Impressions にて収録した唯一のスタジオ録音曲です。

熱のあるLive盤の最後を飾るにふさわしい静謐な美しさを持つ名曲ですが、

私自身はゆみゆみとの演奏がなければ親しむことの無い楽曲でした。

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彼女の持つ、ピアノのダイナミクスの大きさ、表現の繊細さをそのまま収録してみたい、

という願いで録音に臨みましたが、録音エンジニアの笹田大三郎氏も

その意図を汲み取っていただいて、大きなダイナミクスレンジを活かした、

響きの広い録音をしてくれております。

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その意識のまま、この楽曲の雰囲気とジャケットをあわせて

アルバム・タイトルとさせてもらいました。

冒頭を飾るのが After the rain 、

響き、そして音楽の情景描写が静的ななかにうねりがあるように、

この写真の響きもまた広がりがあることを見ていただけましたら。

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2曲目も同じくColtrane のWise One、Crescent に収録された

美しい曲です。

このCrescent は大きく表現の枠を拡大しようとしていたColtrane の

静的な美しさに満ちた名盤です。

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ゆみゆみは本来、4者の優れた表現により成り立っていたこの楽曲から

その成り立ちに必要な要素をひとりが受け持ち、After the rain から

続く響きの豊かさと胎動する動きを支えてくれています。

彼女の持つ本質的な叙情性を見ることができるとともに、

わたしのTenor 演奏にも、より大きな自由さを現す流れが

出ているように思っております。

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3曲目はBill Evans のThere came you 

Riverside レーベルの未発表盤Unknown sessions に

入っていたのですが、高校生以来、愛聴したこのレコードで

Time remembered とともに美しいバラードとして印象的な楽曲でした。

この曲はわたしのセレクトで、録音の瞬間に譜面を渡してそのまま録音とした

楽曲。

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今回のアルバム全体に先程来書いている「静的」というキーワードが

関係しているのですけれど、Ballad という言葉で現すにはもっとリズムも

動きのある楽曲も多いので、「静的」なアルバムという意識で作っています。

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そして、いままで私自身が自分の表現の意図で「癒し」というものに

言及することはほぼ無いまま参りましたが、

「静」は本質的なこころの寄り添い、という点で「癒し」をもつ作品に

仕上がっていると思えております。

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こころは色々な動きがあって、たとえ傷があるとしても、そのようには

見えない状態であることも多々ありますし、逆に優しさだけでは

こころに添うことが出来ないようにも思います。

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そのなかでどこかに寄り添い、ともに意識の揺蕩うさまに

連れ添うような音楽の内容になっているように思う、そういう楽曲です。

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There came you ~ Dienda ~ Too young to go steady へと続く流れは

まさしく自己表現というより、音楽そのもののもつ流れにそのまま没入しています。

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4曲目 Dienda はKenny Kirkland の作で、Sting も歌っている演奏がありますが、

とてもPop Song として成立しないような、正直、難しい楽曲です。

美しさを損なわず、かつPop Song としての魅力を引き出すことのできるStng、

当時の伴奏メンバーであったBranford Marsalis , Kenny Kirkland らの 

演奏家の力量の素晴らしさ、すべてが一級品です。

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彼らの表現していた美しさの本質と比して自分たちがどうであるのか?

常に考えるところではあります。

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4曲目のDienda , 5曲目のスタンダードナンバー Too young to go steady はともに、

ゆみゆみのセレクト。

いつも演奏の度に色々な表現の道筋を辿ってくれていて、

今回の収録だけではない、Live シーンならではの展開もまた楽しみではあります。

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通常はこのTies シリーズは聞き易い収録時間、というのも制作意図で、

長過ぎないことが大きな意味なのですが、今回は「削れない」ために

もう3曲も入れています。

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削れない、というのは6曲目のAs way of life がわたくしの、

8曲目のKagome 2 が ゆみゆみ のオリジナルであるから、という

意味もございます。

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多くのひとびとがそれぞれに与えられた状況・条件のなか、

それぞれの人生を生きていかざるを得ません。

生きたことを価値付けることも、小さなスパンのなかでの

現代人の浅はかな傲慢さのようにも思う(これはあくまで

自分の私観でしかございませんが)のですが、

その人生にはそれぞれの生き方の意図があり、

そこから汲み取るべき何かがあろうと思います。

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さきほど書いた、人生そのものに価値の軽重を問うのでは無く、

そこから何を学び、他者が自らの生に如何に活かすか?では

ないか?と。

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そういうことも思いつつ、そして長い水平線、地平線のような

悠久のときを想ってこのAs way of life という曲を作っています。

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7曲目のEquality も ゆみゆみ セレクト。

Dienda と同じく、歌手が詞に乗せて歌っています。

とてもそのように存立するとは一聴思えないことを想うと、

ヨーロッパ、アメリカの音楽シーンの大きさを実感します。

Pop という音楽の豊かさ、です。

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われわれ2人の演奏からも、そのPop さとシリアスさの混合が

みえると思いますし、ゆみゆみの持つ繊細さが浮き彫りになる演奏でもあります。

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8曲目はカゴメカゴメの ゆみゆみ バージョン。

いわゆるBossa Nova の典型ハーモニーへの翻案です。

このアルバム唯一の知っている曲?かな。

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ステディなリズムというのがゆみゆみの魅力のひとつですが、

このオリジナルでその片鱗が出せたと思われます。

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以上、簡単ながらそれぞれの楽曲の解説でした。

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音楽とともに、ジャケットのアート・ワークを感じてもらうのが

このTies の大きな狙いですが、内容と響きあう作品として

大変に制作本人が気に入っているアルバムでもあります。

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是非、未聴の皆様にも手に取っていただけますよう。

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簡単なプロモーションとして、3曲目のThere came you を

試聴として紹介します。

本来でしたら、ジャケットデザインを流すのですが、

せっかくなのでジャケットは買った方がゆっくり見ていただく、ということで、

単に写真を貼り付けたもので。

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このTies -3 ” After the Rain  ” をはじめとした藤井政美Produce 作品を

ご購入ご希望の方は是非、下記までメールくださいませ。

1枚2000円でございます。

わたくしのJazz Clubでのリーダー演奏にいらしてくださった方には

1500円で販売しております。

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fjm@live.jp    藤井政美(Fujii Masami)までお気軽に。

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Ties-3 CD発売予定 そして、Carrefour Saxophone Quartet New CD も制作中!

この Fujii Masami Space の内容のお問い合わせ、

演奏のご依頼、レッスンのお問い合わせなど諸々のご連絡先は

fjm@live.jp  藤井政美 までメールでお気軽に 

  

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このところ。Blogの投稿が滞っており、こちらをご覧の皆様には大変申し訳ございません。

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日々の演奏はきちんと行っております。

ひとまずはHome Base であるJazz Live Comin などのWebサイトで是非、活動の状況などを

ご覧頂けましたら幸いです。

http://www.jazzcomin.com/ 
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そして、毎年恒例の里山あーと村 森のJazz Liveも8月最後の日曜 2015年の今年は

8/30に行います。

今年は節目の15回目なので、10回目に好評をいただいたグランド・ピアノ編です。

詳細は是非こちらを!

http://atomura.sakura.ne.jp/ 

チケットはわたくしも取り扱っております!

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そして、タイトルのお知らせはこちらも好評のわたくしのProduce CDシリーズのTiesの

早くも3弾が8月半ばに発売となります。

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今回は ゆみゆみ のピアノとのDuo

222

Carp Jazz でも人気の素晴らしいピアニストの、静的かつダイナミックレンジの広い、

豊かな表現力を引き出す選曲で制作いたしました。

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「ねこのテーマ」(ゆみゆみ の人気曲です)をご期待する向きもございましょうが、

それはライブのお楽しみで、今回はふたりのDuoならでは選曲で参ります。

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録音はTies シリーズの音を確たるものにしてくださっている笹田大三郎氏。

彼のFacebook 投稿にもございましたが、今回はリヴァーブ(いわゆるエコー成分)の

人工的な付加を一切する気を感じさせない収録となっていて、

豊かな響きをそのまま収めることができたと思う、とのことです。

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そして、こちらも楽しみなデザイン面は花田憲一氏のフォトグラフで参ります。

http://www.hanacamera.net/
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すべてにおいて、非常に楽しみな作品。

そりゃ、自分の作品ですから楽しみですけれど、本当に自分でこういうのが作りたかった、

という静的な、スタティックな面を出した作品です。

タイトルは ” After the rain ”

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ジャケットの美しさとともに、印象深い作品となることを願って。

ひとまずお知らせまで。

できあがりましたら、またこちらでもお知らせいたします。

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そして、Carrefour Saxophone Quartet でもCD を制作しておりました。

こちらは全編、リーダー・宮田麻美のオリジナル・アレンジによる Pat Metheny 作品集。

Ties とともに、自分の演奏の大きな一里塚と思える作品です。

こちらは初秋の発売予定。

Ties とは異なるジャケットのイメージで攻める予定です。

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リーダーの美意識と、それぞれのメンバーの素晴らしさを是非聴いていただきたいところです。

リーダー宮田麻美はわたしが今まで出逢ったなかでも、

群を抜いた耳の素晴らしさ。そしてそれに匹敵する能力をもった久保田麻里。

この2人はクラシックでもその生真面目さを活かした素晴らしさですけれど、

通り一遍の軽いポップスの吹き方ではなく、本質的にアタック、グルーヴという面でも

表現をしてくれています。

ソロも本当に秀逸。クラシック畑でポップスをやる方々に、是非聴いて参考にしてほしいものです。

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自分たちがいかに適当に、ポップスをなめて演奏しているかがわかると思いますよ。

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そして、それに引きづられたBaritone Saxの前田悠貴の素晴らしいベースパート。

こちらも、雑なバリトンのゴリゴリ感とは一線を画する、アンサンブルとして、グルーヴを表現して

くれています。

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短期間で、このイメージを習得したことへの敬意を表します。

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どちらも発売ののちに、ほんのりとライブ、コンサートなどをする予定ですけれど、

CarrefourSQ は先にクラシックのコンサートも企画しておりますので、

その後かな?

このクラシック編はわたしは参加しませんが、現代曲を中心にした

意欲的なプログラムになる予定。

また紹介しますので、そちらも是非。

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というわkで、Ties-3 に話を戻しますが、

このBlog でのみ、ジャケット先行公開です。

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お楽しみに、どうぞ!!

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5月24日(日曜)~31日(日曜) FM3<藤井政美Trio> ツアー予定お知らせ

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新潟へのTies Duo & Trio のツアーもおかげさまで本当にこころに残る

良い経験をさせていただきました。

いつもながらどちらのお店も素晴らしい環境で、来場のみなさまとともに

ステキな時間を共有できて、感謝です。

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その話を書く余裕もなくそのまま次のFM3の演奏のお知らせに・・・

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1年ぶりの東京も含めて、なかなか不思議な行き来をしに行きます。

メンバーは

藤井政美(Sax)

山本優一郎(Bass)

山口圭一(Drums)

以上のSax Trio 、グループ名は FM3 です。

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まずは5月24日日曜は滋賀にて昼と夜。

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まずは近江八幡・ヴォーリズ建築の旧八幡郵便局にて。

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24日日曜夜には栗東(草津駅から11分くらいです)のイタリア料理店ピノーリにて。

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翌日25日月曜は伊那・草の音にて

http://kusano-ne.com/?p=247

‘‚̉¹jazz DM 2015•

ひと月に2度という強気のブッキングですが、内容はまったく異なります。

どうぞお楽しみに。

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27日水曜はわたしの本籍地東京・中野Briht Brown にて。

私が尊敬するブルース・ピアノのLee Kanehira さんとFM3にて。

この夏の広島・里山あーと村の森のJazz Liveでも彼女に弾いてもらいますが、

まずは先に会って来ますね。

http://www011.upp.so-net.ne.jp/nakano-BB/

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よくみるとLee と FM3 になっているというステキなポスター!!

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翌日28日木曜 は国立ノーボーダーズにて。

場所はこちら

https://plus.google.com/110760567041194867542/about?gl=jp&hl=ja

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いろいろ突っ込みどころのあるチラシですが、楽しさがございます。

投げ銭、というお求め安いシステムです。もちろん、財布の許す限り投げ込んでいただけましたら。

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東京はこの二つのみ。どちらかできるところがあったらおいおいとご紹介くださいませ。

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で、このまま小諸を目指します。

5月29日金曜 小諸駅前 停車場ガーデンにて

開場18:30、スタート19:00 参加費3000円(前売り2500円 です。

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場所の詳細はこちらを http://t-garden.org/index.html

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で、最終日は30日日曜 伊那谷の森にて、森のJazz Live 

広島・里山あーと村の森のJazz Live のスピンオフのような、

伊那谷の美しい森の景色のなかで手作りの会場でゆったり楽しむ時間です。

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http://morijazz.sblo.jp/article/129687278.html

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ということで簡単ながらご紹介を。

是非、ご都合のつく方、よろしく御願いいたします!

そして、TiesのCDも持参いたしますので、あわせてどうぞ!!

参考までに今回は一緒ではございませんが、因幡由紀の歌のCDなどを

ご紹介します。

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ご質問、お問い合わせ、感想などなんでもお気軽に

fjm@live.jp  藤井政美までどうぞ!

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You can hear a lark somewhere…. ~ Ties-2 producer’s note 追記

そうそう、このタイトル、なんでしょうね?

ひばりの声がきこえるでしょ?

ってことですが。

是非正解を聴き当ててくださいませ。

コメントでもメールでも、お待ちしております。

fjm@live.jp  藤井政美 まで!

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You can hear a lark somewhere…. ~ Ties-2 producer’s noteh

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fjm@live.jp  藤井政美 までメールでお気軽に 

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この度は私、藤井政美のProduce Collection のCDシリーズ2枚目となります

因幡由紀 ” You can hear a lark somewhere….  ” をご購入いただきましてありがとうございます。

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歌い手・因幡由紀についてはこの2つ前の投稿で紹介しておりますので、

よろしければご覧くださいませ。(ほとんど紹介になっておりませんけれど。)

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ここでは楽曲について簡単な事柄を書いて置きますので

鑑賞のお供にどうぞ。

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今回の収録は事前にそれなりの打ち合わせはしましたが、

因幡由紀、という人間の魅力を最大限に引き出すため(というか、

今回のイメージである歌い手の部屋でそのまま自然に演奏しているのを

横で一緒に聴いているような仕上がり、を意識していることも踏まえて)

選曲に縛りはほとんどなく、

その場で歌いたくなった曲をどんどん歌っていって収録する、

という方式にしました。

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事前に決めていたのは1曲のみ。

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で、ピアニスト 鳥岡香里さんも一応ブッキングしていいて、

基本は弾き語りだけれど、飽きたり由紀さんがうまく弾けないと思うときには

ピアノを弾いてもらう、ということで収録スタート。

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数曲録っていきましたが、この曲が聴こえたときに

私には「お!これがアルバムでは冒頭ね!」と

勝手ながら決まりでした。

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そんな曲からこのアルバムはスタートしましょう!

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1. People will say we’re in love (Richard Rogers / Oscar Hammerstein )

作詞がオスカー・ハーマンスタイン3世、作曲はリチャード・ロジャース。

一般に歌の好事家からはロジャース/ハーマンスタインもの、と呼ばれる

黄金の組み合わせ。

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かつてのミュージカルでは筋を書いて歌詞を書くひとと、

それに沿ってメロディを作るひととがチームとなって作品を産みだし、

ヒットを重ねることによって黄金の組み合わせとなっていくことが多々ありました。

この2人で最も有名なのはサウンド・オブ・ミュージックでしょう。

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この曲はあまり取り上げられない作品ですが、サックス奏者として

キャノンボール・アダレイの演奏なんかを紹介しておきます。

とてもhappy な作品です。

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2. I concentrate on you (Cole Porter ) 

次の曲はコール・ポーターの名曲です。

ロジャース/ハーマンスタインに対してコール・ポーターは

ひとりで全てを作るタイプ。

 そして、彼は非常に奔放な人間ですが、歌詞も多様な意味に捉えられるような

ちょっとひねったものが多く、これもどういうことかね??といいたくなるような

タイトルです。

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名唱あまたあるなかで、個人的にはクリス・コナーのヴィレッジ・ゲイトのライブが

短いながらも小粋でさらっとした美しい仕上がりと愛聴しております。(わたしが、です。

由紀さんはまた別なのがいい、と思っていることでしょう)

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そして、ここでの因幡由紀の声の伸びは引き込まれていきます。

お楽しみいただけますように。

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3. All too soon (Duke Ellington / Carl Sigman)

エリントン名曲は多いですが、その分、ついつい後回しになるような

曲があります。

コロンビア・レコードにUnknown session という未発表セッションを

後年再発したレコードがありますが、これを愛聴していたので、

これも良い選曲でした。

(貼り付けたYoutube は全曲レコード順で流れるようなので、

3曲目がAll too soon です。ご注意を。でも最初から名曲の嵐!)

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こんなことは書いちゃいけないんですが、これは没の可能性があったトラックです。

歌詞を一箇所、ごにょっと歌ってしまったところがあって、

「ありゃ!!こりゃ何言っているかわからんって思われるわ~~」と

由紀さんは話しておりましたが、逆に気付いてほしいな、と思って

入れた、という理由がございます。

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意味をわかって(当たり前ですが)ストーリーを話して歌っている歌なので、

皆さんも是非、聞き取ってみていただけたらな、と。

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もしも、こんなのいけんじゃろ!ちゃんと歌わんと!と思われた方、

是非、生でリクエストしてください。

お詫びに由紀さんがきちんと、歌います!!

そういうやりとりを含めて、後にまでつながる内容を目指しております。

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4. His eyes on a sparrow 

この録音の数日前のちょっとした演奏で彼女が歌って、

私もよくわからないなかで伴奏を吹いたのがきっかけで

この日の録音になりました。

非常に感動的な曲になっております。

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もちろん、もともと黒人霊歌として知られていて、

聖書から取られた言葉が歌詞となっています。

神はちいさな雀一羽にもそのまなざしを注いでいる。

だからわたしのことも、見てくださっているのだ、という意味です。

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そして、いまこれを書きながら気付くという大ミスが・・・

His eyes on <the> sparrow でしたね・・・・

由紀さんもthe って歌っているのに。ちゃんと聴いていない自分を反省しております。

思い込みはコワイ。

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そして、前述の通り、この曲に関してはわたしは完全にその瞬間に音を手繰り寄せて

演奏しております。

そんなこと、あんまりやっちゃいけないんですが、たまには自分の作品だからいいか!

と。

ちょっと挑んでいるトラックでございます。

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5. Time after time (Sammy Cahn / Jule Styne) 

ギタリスト・スティーブ・カーンの父、サミー・カーンの有名な作品。

スティーブ・カーンは父の影響を避けるために、姓の綴りを変えたという

逸話があります。

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ここではVerse から歌っています。このトラックはこのVerse がとても印象的。

エンディングのso lucky !  というつぶやきも、リラックスした由紀さんらしい仕上がり。

 

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この辺りでこのCDの音についてちょっと解説を。

ホールでのレコーディングなのでピアノ、サックスは響き豊かに鳴っています。

それに対して、声はかなりドライ、すぐ近くで歌っているようなバランスです。

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このバランスは一聴するとアンバランスで、サックスもオフ・センターなので、

もっと中央に定位させた方がいい、という意見があります。

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同様に、声にもっとリヴァーブ(エコーですね)をつけたらいい、という意見も。

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今回のアルバムではそのご意見はすべて却下しております。

サックスはわたしが吹いておりますが音楽の中心ではございません。

むしろ、由紀さんが歌っているところに勝手に入ってきた、という雰囲気で。

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ちょっと広い部屋で由紀さんや鳥岡さんが気持ちよく演奏しているのを

隣で皆さんがきいているようなそんなアルバムなのです。

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そして、1940~50年代のヴォーカルの録音はこのような、

声の近い録音が普通でした。

わたしはこれこそ、歌手の魅力を最大限に伝えるものと

思っています。

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前提として、「魅力がある」ということが最大の意味ですけれど。

これがこのアルバムに込めた気持ちです。

普通のアルバムはどこにでもありますが、こういう音のアルバムは少ないのです。

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この音のバランスやイメージを確たるものとして実現してくれた

録音エンジニア 笹田大三郎氏に心から御礼を。

素晴らしい録音でした。

彼との橋渡しをしてくれた奥田治義氏にも同様のお礼を。

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6. Two Kites (Antonio Carlos Jobim) 

この曲の解説については友人のトロンボーン奏者・上原茂史氏が

facebook で書いていらした記事を了解をいただいて加筆転載します。

……………………………………………………………………………………….

20世紀を代表するコンポーザーの一人であるジョビンであるけれど
1970年代以降の代表曲といえばあんまり思い当たらない。
(「3月の水」くらいか?)

「イパネマの娘」等々のヒットで世界的な名声を得たジョビンは
それと引き換えに本国ブラジルからは「アメリカに魂を売った」売国奴的な
批判にさらされたり、最初の奥さんとの不和やら、
幼少時のトラウマ(愛犬を誤射して殺してしまった)やらで
かなり追い詰められ長きにわたり精神分析治療を続けてたんですね。

そんなこんなで環境問題にいち早く取り組んだり、
次の奥さんとの出会いなんかもあっての80年初頭リリースの
「テラ ブラジリス」収録の「two kites」という曲なんですが
ジョビンのもう一丁揉んでやるか感というか
心の充足感が表れており後期?の名曲ではないか、と。

……………………………………………………………………………..

この曲は彼が鳴り物入りで初来日したときのワールド・ツアーでも

やっていました。

私はちょうど、浪人中だったか大学に入ったばかりだったかで、

これからBossaNova を勉強しようとおもったときで

観にいけなかったのですが、放送を録画してそれこそ、

繰り返し繰り返しみて研究したものです。

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この曲だけは是非、録音して残したい、と私が願って実現しました。

出来についても由紀さんはNG を出していたのですが、

わたしは無理やり収録を決めた、という経緯もあります。

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ジャケットデザインの納島正弘氏はこのトラックを最も気に入って、

この曲のイメージでジャケット絵を作成しておりますので、

あわせてご覧くださいませ。

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ということはそれ以外の選曲はすべて由紀さんがふらふらと

譜面の束をひっくり返しながらひょいひょいと歌っていったなかで

わたしが再構成してアルバムにしております。

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実際に録った量はもっと多いのですが、

収録時間はおおよそレコード片面分よりも少し多い程度。

でも、これくらいが本当にちょうど良い、と感じていて

この分量にしております。

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なんでもかんでも詰め込むのが良い訳ではない、という

のも大きなこのシリーズのポイントです。

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厚化粧なし、小編成の自然な演奏、適度な時間の収録、

そんな辺りでしょうか。

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7. Everytime we say goodbye (Cole Porter) 

最後もコール・ポーターの名曲。

「さよならを云うたびに、わたしは少しつらくなる」という美しい歌詞。

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多くのさよならがこのアルバムを作っている最中にも

ありました。

さよならだけが人生なのですけれど、

また会えると思えばそれもまた味わいです。

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June Christy のStan Kenton との名盤、Duet 冒頭のこの曲は

是非とも聴いてほしい名演です。

って書いておいて紹介するのは、レディ・ガガ。でも素晴らしいですね、こちらも。

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最後に、もうひとつ、このアルバムを聴いて、

きっとお気づきでは無いとは思いますが、

このアルバムにはあまり間奏のソロは入っておりません。

(もちろん、数曲はありますよ!)

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本番のライブではソロもふんだんにありますし、スキャットなども

入れていきますけれど、それはライブ感満載の状態で

楽しむもので、アルバムで「歌」を聴かせることを

主眼としているこの作品ではそのままの歌だけを収録しました。

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普通は

前奏 ~ 歌 ~ 間奏 ~ 歌 ~ 後奏

ですけれど、これを

前奏 ~ 歌 ~ 後奏

こんな感じにしています。

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これがわたしの思う、ヴォーカル・アルバムの美しい仕上がりで、

もちろん、ライブ感やジャズ感一杯のアルバムもイイのですが、

それはちまたに沢山あるので、そんなのとは違う仕上がりにしております。

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いかにも名手をつれてきたので

せっかくだからソロ入れてくださいよ~、的なやりとりは

良い結果をもたらさないことも多々あります。

何より、「せっかくだから」は音楽の必然とは無関係なので・・・

って名手は参加していませんが!

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複雑微妙な味が作れないから、ともいえますけれど、

ざるそばのようなシンプルさを是非お楽しみくだれば幸いです。

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そして、このアルバムはいつの日か、続編のバラード・アルバムが

リリースされます。

是非いつの日か出されるそちらも!

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ご感想、お問い合わせはこちらまで

fjm@live.jp   藤井政美

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カテゴリー: 音楽, CD・レコード, Ties CD, 未分類 | コメントをどうぞ

Ties Duo&Trio 新潟~東京~長野~滋賀 ツアー詳細

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ようやくTies のCD も発売になって、ツアーの告知をしても

それらしくなってまいりました。

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というわけで4月後半、馴染みのところへご挨拶に伺います。

よろしく御願いいたします。

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Ties ロゴ 白背景

このTies のロゴをどうやって使えばカッコよくできるか、まったく手がつかないまま

ですが、今回は編成は

藤井政美 Bartone Sax

鳥岡香里 Piano 

この2人のDuo  これもタグがあって、

Ties ロゴ duo

です。そして、これに 因幡由紀 Vocal がくわわり

Ties ロゴ trio

Trio となるわけです。

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では日程詳細を以下に。

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4月24日金曜 19:30から

長岡・キャラメルママ 新潟県長岡市城内町2-5-6

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長岡は新潟の名ドラマー本間克範氏、ギタリスト・イリエカズヲさんとともに、

投げ銭で、セッションです

地図の参考までに食べログですが添付します。

 http://tabelog.com/niigata/A1502/A150201/15004622/

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4月25日土曜 19:30から 

新潟・SWAN  3500円(1Drink 付)

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SWANにて、Ties 3人の演奏です。

http://www.jazzswan.sakura.ne.jp/

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4月26日日曜 20時から 

村上・楽屋  前売2500円/当日3000円(1Drink付)

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キーボードを持ち込んで3人の演奏です。

http://gakuya2000.jp/gakuya/hyoosi.html

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4月27日月曜 20時から 

新潟・Jazz Flash 3000円

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この日も本間さんに協力いただいて、セッションです!

 http://flash.pagans.jp/

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4月28日火曜 20時から 

 新発田・Bird 3000円 (1drink付)

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新潟最終日・GW突入前夜は新発田にて。セカンド以降、セッション有りです。

 http://blog.livedoor.jp/yukanpee/

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以降、東京からはすべて3人の演奏です。

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4月30日木曜 東京駒込・小松庵 18時開演 

六義園隣にある蕎麦の名店・小松庵1Fにて。

アップライトピアノ

以下詳細   

いつもあなたのそばにJazz & Soba♪ ~The Nearness of You ♪

会 場:駒込「小松庵」1Fにて。(店舗は2Fです)

交 通:JR駒込駅、南北線駒込駅 六義園裏門前

会 費:小松庵蕎麦コース+Jazz=7,500円(縁) ※ドリンク代は各自会計

申込先:氏原睦子 JZT05141@nifty.com  ほしひかる hoshi@edosobalier-kyokai.jp

締 切:2015年4月15日(水)  主 催:そば資料館・研究センター

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5月1日金曜 19時から 長野伊那・草の音 3000円(1Drink 付) 事前予約は2500円です

http://kusano-ne.com/

詳細はこちらへ  http://kusano-ne.com/?p=209

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5月2日土曜 18:30から 近江八幡・茶楽 3000円 (事前予約2500円) 飲み物別

こちらでは学生1000円、小学生未満無料です。

近江八幡お堀沿いの土蔵カフェで、とてもこちらも趣きあるところ。

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諸々お問い合わせはそれぞれの主催、あるいは

fjm@live.jp  藤井政美まで。

ただし、ツアーに出かけた以降はこのアドレスはチェックが難しいので、

どうぞそれぞれの主催者へ御願い申し上げます。

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会場ではCD の販売をさせていただきます。

通常は1枚2000円ですが、ご来場のお客様には1500円でご提供させていただきます。

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Ties CD 演奏者紹介 因幡由紀 Inaba Yuki (Vocal)

この Fujii Masami Space の内容のお問い合わせ、

演奏のご依頼、レッスンのお問い合わせなど諸々のご連絡先は

fjm@live.jp  藤井政美 までメールでお気軽に 

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Ties-2  ” You can hear a lark somewhere ” は

ヴォーカリスト因幡由紀のアルバムです。

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彼女は広島を拠点に活動、というほどの演奏活動をしていない、

もっというとプロの演奏家、という名を冠して良いのか?という程度の

演奏活動しかしていません。

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でも、もちろん、Jazz Club などで告知すればおおよそFull House に

なるほどのファンはいます。

一般には全く知られていませんし、聴く耳の無い方は彼女の素晴らしさにも

気付かないかもしれません。

もちろん、好みもございますので、ひとそれぞれですけれど。

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18歳の頃の彼女が広島でそろっと歌を歌い始めた頃、

彼女の知人が「こんな子がいるんだけれど、一緒にやってくれ」という

メールをくれました。

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その頃、今以上にものを知らないわたしも

「やりたいんなら直接自分で云ってくれば良いし、

ちゃんと意思を持って現場に出ないとダメだと思う」的な

メールを仲介の方と本人にも送ったのがはじまりでした。

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今でもなのですが、彼女の歌に魅力を感じた人間は

こうやって支援しようとして、でも本人がぽや~ん、としているので、

何かとかみ合わないですけれど、

(何せ、わたしがそのミイラ取りのミイラ状態ですから)

そのせいで、本人もわたしとやり取りして「何だか勝手に

怒られた・・・」状態だったようです。

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あとで丁寧にやり取りして、その後一緒にライブをするようになりました。

その頃から素晴らしい歌を歌っていて、一撃でやられました。

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素晴らしいギタリストの小田原政広さんとともに、

彼女の小さいライブから、ホーンセクション、コーラスを入れたライブまで

企画してやっていたのが懐かしいくらい時間が経ってしまいました。

その頃あたりの写真かな??

因幡由紀 プロフィール写真  

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もともとはマライヤ・キャリー、ホイットニー・ヒューストンなどを聴いて育って、

その手の張り上げ・歌い上げ系のRhythm Music にはとてもフィットしていましたが、

いまではそれを知る人も少なくなって・・・

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そう、時間が経っていろいろなことを彼女も経験し、

弾き語りなどもはじめて、レパートリーも広がり、

そして、体の使い方を意識して、合気道などもはじめて世界を広げていきました。

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と、普通ならばそれで羽ばたいていくんですが、

逆により「自然に」という方向に行ってしまうのがこれまたわたしを

こういうアルバム制作に向かわせてしまいます。

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数少ない仕事をほとんど断ってしまって、自宅に籠って

おうちミュージシャンと化してしまうわけです。

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「いや~ほんと、家じゃ我ながら良いな~って

思うんだけれど、人前出ると、も~全然思うとおりに

歌えないし、私ピアノへたくそだし~」って本人の談話です。

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で、張り上げて声量ある歌も歌えるけれど、

「体を使えば出せるけれど、結果無理して出しても

いろいろバランスが崩れるからそういうのはあんまりやらない」

となってますます地味な歌い手さん、と思われるわけです。

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そんな彼女の魅力を最大限に出してアルバムを作りたい、というのが

この企画のスタートでした。

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家で気が向いたときに歌っているような、そんな感じで聴けるアルバム、

それを作りたかったわけです。

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わたしも興に乗れば、曲によっては勝手に吹く、

この曲はピアノ難しいな~と由紀さんが思えば

鳥岡さんに弾いてもらう、そんな内容なのです。

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録音のときには彼女はステージを走り回って、

寝転がって、リラックスしてやっておりました。

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わたしとしてはその自然な状態をすべて収録したかったのですが、

なかなか録音としてはそれが上手くいかないので、

一応、これでも多少はよそ行きの部分が切り取られましたが、

あの現場にいたようなイメージで聴くと一層面白いものです。

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彼女の発声のトレーニングなどもとても意味あるのですが、

自分があまり他人に積極的にトレーニングを教えるタイプでは無いので、

近くにいるひとも何故か高い金を払って遠いひとに習っているという

不条理。

でも、それでいいな、と。

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わかるひとが、好きな人が大切にする、それでいい歌い手なのです。

因幡由紀写真 補

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実はこれからしばらくは広島を離れることになっている因幡由紀。

近畿地区に居を構えると思いますが、下手するとスーパーのレジとか

打っているかもしれません。

歌もうたうかもしれないけれど、どうなるか。

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定期的に広島には戻ってレッスンや演奏をしてもらう予定でおりますが。

いままでも知らないひとばかりの、演奏もほとんどしないひとでしたから、

これからもそのペースで。

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でも、このTies のアルバムはきっと聴いた方はジャズ・ヴォーカルのお気に入りの

ひとつになると信じております。

もしかすると、かなりのベストと思ってもらえるかも、とも。

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ちなみに、ピアノは楽曲によって彼女が弾いたり、鳥岡さんが弾いたりしております。

自分がピアノが下手だから、と云っておりますが、

彼女のピアノと鳥岡さんのピアノを聞き分けられたら、それもすごいですよ!

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ただ、これまた彼女の逸話として、

あんまりにも自分のピアノが拙いので、という理由で

弾き語りの演奏中にめそめそと泣き出したこともあります。

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逆に客席失笑でした。だって、それまでも良かったから。

そんなちょっとわけのわからない、でも私にとって、最高の歌手なのです。

皆様にとってそうなることを願って。

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滅多に更新されませんし、もしかするといまにでも止める!って

言い出すかもしれませんが、因幡由紀のBlog です。

http://blog.goo.ne.jp/yukikatougi

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そして、彼女は歌のレッスンもしております。

個人でも取っていますので、是非ご連絡ください。

一応、わたしが一旦窓口になりますね。

藤井政美 fjm@live.jp  までお気軽にどうぞ!

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そして、最後に。

彼女の歌はすごいので、サックス4重奏で伴奏をする、という

プロジェクトをやっております。

わたしも所属するCarrefour Saxophone Quartet にて、

数年前にPorgy & Bess の楽曲を歌うというプロジェクトを成功させていますが、

今度はPat Metheny の楽曲をサックス4重奏で吹き込むというCD を作成中なのですが、

そこで一曲歌ってもらっています。

乞うご期待!!

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So near and yet so far ~ Ties-1  producer’s note

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fjm@live.jp  藤井政美 までメールでお気軽に 

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この度はお買い上げありがとうございます。

制作した立場でこのアルバム” So near and yet so far  ” の楽曲などについて

記しておきます。

(演奏者 鳥岡香里については前投稿の

「演奏者紹介」をご参照くださいませ)

Ties CD 演奏者紹介 鳥岡香里 Torioka Kaori  

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1. When lights are low  (Benny Carter)

フレッチャー・ヘンダーソン楽団以来のJazz Giant 、Benny Carter は

現在のBig Band の歴史を作ってきたり、Alto Sax , Trumpet , Vocal など

広い分野で活躍した素晴らしい功績を残しております。

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作曲作品も名曲が数多く、スタンダードとして知られているのですが、

なかでもこの曲は屈指でしょう。

Miles Davis がCookin’ にて演奏しているバージョンは

ジャケットにはミスクレジットでJust Squeeze Me となっていますが

まさしくこの曲。

特に聴きどころは、前曲のTune Up からほぼ切れ目無しくらいのタイミングで

マイルスがメロディに突入するところです。ゾクゾクします。

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ただし、そのステキなマイルスバージョンはAABAというメロディ構成のなかの

Bパートがオリジナルのメロディ・コード進行とは異なって単純化されていました。

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それをオリジナルのものにして演奏しているのが我々のバージョンです。

補足ですが、本当の自分にとってのこの曲のオススメは

June Christy のJune’s got rhythm というアルバムB面冒頭のそれです。

このアルバムからジャズ・ヴォーカルの世界に入った、私的記念アルバムなのです。

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通常、CDというものは楽曲の収録順序とアルバムの構成 曲順とはまったく関係無いもので、

よくレビューなどで「1曲目は堅い感じだが3曲目あたりから徐々にほぐれ・・・」的な

ことが目に入りますが、ライブならばともかく、CDなどでは

よほどのことが無い限り、必ず再構成しております。

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ですがこの曲に関しては今回のレコーディングの最初に軽く録りはじめたものを

使っています。

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2. I wish you love (Charles Trenet)

こちらの曲は3/4拍子に鳥岡さんが編曲したものです。

比較的新しい楽曲で、ヴォーカリストがよく取り上げます。

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彼女のハーモニー構成は特段、すごく個性的ということは無いのですが、

美しく、楽曲のもつ魅力をストレートに伝えてくれる素晴らしさがあります。

この曲にはそれが詰まっています。

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3. Ave Maria 

同じくこの曲もCaccini 作曲と伝えられるのですが、鳥岡さんのアレンジです。

楽曲のもつ美しさなどが永井コージ氏のコラージュと相まって、

アルバムを体現する曲となっているように感じております。

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いろいろな楽器で演奏してみたのですが、

Baritone Sax のチェロ的な音色を活かすのが最も良いと実感して

直接的にはこのDuoをBaritone Sax で続けることの大きな理由になっている

曲でもあります。

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ここで録音について書くと、今回の録音は広島市東区の東区民文化センター・スタジオ1

にて収録いたしました。

いわゆる、小ホールです。

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クラシックの演奏家などに大変、評判の良いホールで、響きが美しいため

今回使ってみました。

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共通の友人である奥田治義氏のアルバムの録音でもこの会場を選定して録音があり、

わたしも鳥岡さんもそれぞれソロで参加しております。

http://ameblo.jp/halbpray/entry-11943874377.html

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その際に録音を担当された笹田大三郎氏の録音の手腕が非常に印象的で、

楽器、ホールの自然な響きをうまく捉えてくれました。

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今回のCDもTies-1、2とも、同じ環境で笹田氏に任せて収録していただきました。

このTies-1 と2枚目の因幡由紀のヴォーカルアルバムとは

若干の相違はあるのですが、それはまた2のnote に書いておきましょう。

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録音ということについていえば、作品となるにあたって、

ピアノの響きの美しさに如何にBaritone Sax を揃えるかが

焦点となります。

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そしてあえて、off center でマイクからすこし外れて吹いたりする音を

入れてもらおうかとも思ったのですが、その試みはまた別のアルバムにて。

同じ響きのなかにいる、というのがこのアルバムの狙いとなりました。

たまにサックスのメカノイズなどが乗っておりますが、それも感じ取っていただけましたら。

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4. Without a song (Vincent Youmans ) 

この曲については何よりもSonny Rollins のThe Bridge 冒頭の曲、という印象。

鳥岡さんが持参したアレンジのものです。

基本、楽曲は持ち寄りで、なんとなくやってみて決まるのですが、

良い楽曲の提示をいただけることばかりです。

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そして、こちらも補足ですが、そのBridge の演奏は本当に素晴らしく、

Sonny Rollins がJim Hall のソロの後に入ってきてから

In tempo になる部分、エンディングテーマの最後で転調して終わること、

すべてが音楽の喜びに満ち溢れた最上の作品です。

機会あれば是非、ご堪能くださいませ!

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5. Running Sands (John Surman) 

イギリスの素晴らしいBaritone Sax , Soprano Sax 奏者のジョン・サーマンの楽曲。

この曲をそのままアルバム・タイトルにしたいくらいの

イメージの膨らむ名前です。

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楽曲を知るには色々な手段がありますが、

優れた音楽家と共演することによって、新曲を教えてもらうというのがあります。

この曲は新潟のベーシストでジャズ研究家の早川潤氏から

紹介されたことで知った曲でした。

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もとの演奏は聴いたことが無いというのは多々あることで、

それぞれの演奏者が自分のイメージで楽曲を構成していくのですが、

その行程が楽しみでもあります。

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鳥岡さんはやはりステキに構成してくれています。

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新潟の早川氏を出したならばこの男に触れざるを得ません。

もともと、Duo という構成を追及していくときに

ずっと相棒だったピアニストが新潟の故・二野明でした。

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彼と共にこのRunning Sands 新津の二野実家のピアノで

ハーモニーを確認したときのことなどを思い出したり、

タイトルとともに色々思うことも多いものです。

村上・楽屋 Duo3

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6. Rocker (Gerry Mulligan)

Birth of the cool クールの誕生 はマイルス・ディビスの名盤として

名高いのですが、このアルバムが良い、とおもえるのはかなりの

聴きこみが必要でしょう。

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わたしも数年間、ずっとカセットテープを流しっぱなしにして

ようやく愛聴盤となりました。すべての曲が細部まで歌えるようになると

このアルバムの素晴らしさが聴こえてきます。

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そのクールの誕生に収録されていることと、

Charlie Parker with strings でも演奏されていて

覚えたのがこのRocker です。

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こちらも補足。

C.Parker with strings では当初、この曲はI’ll remember April と

表記されておりました。

もちろん、誤りなのですが、Parker のアドリブの出だしにこの

曲のメロディを引用してスタートするため、その間違いが

引き起こったと思われます。

面白いことではありますし、そのせいもあって、印象的な内容です。

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大編成の楽曲をDuo などで再構成する、というのが

わたしがDuo 編成で楽しみとしている狙いでもあります。

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他にも数曲録音しておりますが、

満足いく演奏にまで達せず。

録り直しも1回やったのですが、それもイマみっつ・・・

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と思ったのが、そもそも気軽なジャズクラブのDuo からはじめたことでもあるし、

取り繕った演奏を収録するのではなく、

こういうものだ、という姿を淡々と出していこう、というのが狙いでもあるので、

「上手くいきそうで、でももうあとちょい!」という気分をそのままタイトルにいたしました。

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それが So near and yet so far の意味です。

でも、それくらいならば、良いんじゃない!?という意味もこめて。

次にまた繋がるのがいいです。これからもこのシリーズが続きますように。

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最後に、 楽器について書くと、ピアノはKawai 、サックスはYamaha YBS-62 です。

このBaritone Sax は25年くらい前から広島市内の吹奏楽のバンドを渡り歩いてきて、

結果、わたしの手元に来たものです。

えらく比重の重い楽器ですが、今回の録音でもいろいろ使い辛さもありながら、

可愛い相棒という感じ。

MP はSelmer Soloist C☆☆ の古いもの、Reed はヴァンドレン・トラディショナルの3・1/2を

使用しております。

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Ties CD 演奏者紹介 鳥岡香里 Torioka Kaori  

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Ties-1 Ties-2 ともに演奏に加わってくれている

ピアニストの鳥岡香里を紹介しましょう。

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彼女自身のプロフィールでは以下の通りに。

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4歳よりピアノを習い始める。

大学のジャズサークルでジャズピアノを勉強し、演奏活動を始める。
学生時代にニューヨークにてバリー・ハリスのジャズワークショップに参加。
2009年よりトリオ「ロス・チフラードス」にてタンゴ演奏にも取り組んでいる。
現在広島市内を中心にJAZZライブハウス、ホテル、結婚式、イベント等で幅広く活躍中である。

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われわれのプロフィールと同じく、なんのことやらよくわからない内容です。

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そう、彼女に限りませんが華々しいプロフィールの記載が無いと

どんな演奏家なんてよくわかりません。

でも、逆に言うと、華々しい(しく見える、というほうが適切かもしれません・・・・)

プロフィールも実際には何の内容も無いのは同じだったりします。

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要は、広島を中心にジャズ、タンゴその他の音楽の演奏活動をしている、という程度のことが

書いてあるわけですね。

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で、制作者・共演者としての私から見ると、

大変にセンシティブで、音色の美しい演奏家、というのが最も重要なポイントです。

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演奏が上手い人という時点でも、実際にはなかなか地方都市には難しい要件ですが、

そこに好みも加わってくると、良い音楽家というのは

かなり稀有の存在になります。

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広島市域で言えば、なかにし隆さん、ゆみゆみさん、全然ご一緒することがございませんが、下本さん、折重さんなどがバーサタイルな演奏にご活躍していらっしゃる名手。

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どの方も素晴らしいです。

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そういう方々と伍して、よりその美しいハーモニーと音色で、

着実に評価を積み上げていっているのが鳥岡さん。

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考えてみると彼女が最初に広島で演奏活動を始めた頃からの

知り合いでもあります。

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いまは亡き、川端恒二氏に師事して、ひとを介して(沼本さんだったかな?)

紹介されて会ったのが最初。14年くらい前かな?

トランペッター・山本巧美が広島の若手音楽家を集めたBig Band 

” The Great Jazz Masters Orch. ”  というのがあって、

私や吉岡洋充(Drums)といった職業演奏家とともに多くの同世代の仲間が集って

いい音楽をやっていました。

そのバンドの3代目のピアニストになってもらったのが最初です。

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そこから何となく一緒になることもありましたが、

ここ数年、急激なほどの深化を遂げてくれています。

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今回の演奏でも彼女のソロは素晴らしいのに、わたしのソロがダメすぎて

NGにした演奏もございました。

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その意味では彼女の真価がまだまだ伝えきれていないのが心残り、という面もあります。

が、それも含めて、完結できないのが人生ですので!!

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今回のこのシリーズの嚆矢に彼女とのDuo を持ってきたのは

色々理由はありますが、彼女の評価がまったく定まっていないからこそ、

CDで聴いていただけたらという気持ちも有ります。

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あとはベーシスト・奥田治義氏との邂逅、

Jazz Live Comin で定期的に演奏を繰り返す中で

多くの心ある方々から励ましを受けたこと、

これらが力となっての作品への結晶でした。  .

  

鳥岡香里 フ ロフィール1

こちらが鳥岡さんのBlog です。

http://blog.livedoor.jp/kaoritorioka/
HP もございます。

http://kaoritorioka.weebly.com/

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これからが本当に楽しみな素晴らしい演奏家です。

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種種お問い合わせなどはこちらへお気軽に!

fjm@live.jp   藤井政美まで

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