Lawns ～ Healing power

この映像はNight Music という素晴らしい音楽番組の

クリップです。

　

番組はDavid Sanborn （Alto Sax） がホストとなって、

音楽ジャンルは問わず、質の高いミュージシャンを

集って演奏するという内容。

　

この番組は素晴らしいクオリティでした。

　

日本では総集編などで観ることができたのですが、

いつの回を観てもCD などで残っているよりも

一層のクオリティの高い演奏に、もう20年近くも

前でしたから、われわれ音楽家の卵も

狂喜したものです。

　

ここで紹介するのはCarla Bley(piano) ～ Steve Swallow （el-bass）　の

バンドにホストバンドが加わった編成の特別ヴァージョン。

　

もともとホストバンドのハイラム・ブロック（Guitar） は

カーラ・ブレイバンドのメンバーですし、いろいろ

関係があるわけですが。

　

それにしても、何度も書きますが素晴らしいクオリティ。　

　

ハイラム、死んじゃったんだよなぁと思いながら

グイグイステージ前にせり出してくる「ザウルス」振りに

微笑ましいものがあります。

　

カーラ・ブレイの魔女ぶりと、娘カレンのそっくり度合いも

面白がるところ。そして、シンセのフィリップ・セスも

なんか中性的でみんなオカシイです。

　

そして、冒頭からプリンス崩れっぽいオッサンは誰や？と

ずっと疑問でしたが、Bootsy Collins  であることが

ようやく判明・・・

　

なんとまぁ、わからないもんだったなぁ、と。　

　

ブーツィ・コリンズはかのJames Brown の

グルーヴを作ったベーシストであります。

　

耳にはしているし、他の映像でそのブッ魂消た風貌は

観ておりましたが、カーラ・ブレイとの接点を

まるで感じておらず、長い間、私には正体が

わかっていませんでした。

無知は罪ですねぇ、反省します。

　

それにしても、すごいねぇ、このおじさん。

　

そして、名曲Lawns （「芝生」ですね）の美しさ。

このヴィデオの最初の静かな曲がLawns で、

ハイラム・ブロック（g）がせり出して

ソロを始めるところから、Healing Power へと

メドレーされているのです。

　

Lawns でのスティーブ・スワロウのソロは

もう言葉も無い美しさ。

　

考えてみると、このバンドの編成に何人の

超一流ベーシストがいるのか？？というほどの

贅沢ぶり。スティーブ・スワロウがソロを始めたところから

名手Tom Barney がベースを引き継ぎますし、

Bootsy Collins もファンク・ベースの最高峰。

トム・バーニーのお隣もベーシストの様な？？？

クレジットをみると、Sanborn の姓を持っていますから、

サンボーンのお身内でしょうね？？

調べると息子らしき記述もありました。

カレン・マントラーとのアルバムもあるようです。

　

さて、その名曲Lawns はいわゆる、

ミュージシャン’s スタンダードなのですが

一般にジャズ好きの方々はこういう曲や演奏に

行きつかないというか、知ろうともしない、というか、

ま、色々書こうと思ったけれど、

やめとこうか・・・・

　

ともかく、良い曲、良い演奏というのはいつも必ず

生み出されますし、こうして人知れずではなく、

マスメディアに乗って拡散しているのですが、

届きませんよね、残念！

　

できればこういう曲を演奏家とともに

評価していくような協調関係にあったら

音楽の評価の土台も固まるように思います。

　

好き嫌いはさまざまな尺度が有りますけれど、

良い音楽、というのは基準がしっかりしているように思います。